『俺のことを俺だと思わなくていいから』
月9ドラマ「夏の恋は虹色に輝く」より
上記は、女ごころを熟知した女性脚本家さんならではの台詞だなぁと思うのです。
『俺がついてるから』とか『俺がそばにいるから』とか『俺じゃだめか』
では全然ダメなのです。
『俺だと思わなくていいから』ということばだから良いのです
【ドラマのシーン】
舞台は屋上。亡くなった最愛の男性を思い、大泣きするヒロイン(竹内結子さん)の
力になろうとする男性(松本潤さん)。
「お願いだからひとりにして!」というヒロインの女性に近寄り
「俺のことを俺だと思わなくていいから。
好きだった男とか家族とか友達とか、他の誰かだと思って泣いていいから!」
とそばに寄り添う主人公の男性。
もし、これが男性目線の脚本だと、
おそらく「俺がついてる!いつでもそばにいる!」になるのだと思います。
でも、これは女ごころを理解していないというか
恋愛経験があまり豊富でない男性にありがちな台詞。
辛くて悲しく不安定な気持ちをコントロールするだけで精一杯の女性に対して
自分(男性)の存在を主張し、自己顕示したところで、圧迫感を与えるだけ。。。
女性の傷心を思いやり、その気持ちに寄り添った先には
「俺がいる!」の自己顕示ではなく「俺でもできることをしてあげたい!」に
なるはずなのでしょう。
さらに、肉食系男子(松本潤さん)が自分の気持ちを押し殺して
相手を尊重するところにまた、グッときてしまうのですー
このドラマは、脚本が大森美香さんということもあり、毎週録画して観ています。
大森さんはラジオNIKKEIの『ディレクター養成講座』の出身。
地方のテレビ局に一般職として入社したものの、制作部門への異動が叶わず
退社をされ、一念発起してラジオNIKKEIのマスコミセミナーで学び、
そのセミナーの講師だったフジテレビの編成局長さん(当時)に実力を認められ、
脚本家、演出家としての才能を開花させました。
今や、売れっ子の脚本家さん
当時、ラジオNIKKEIの社員だった私。
『ディレクター養成講座』から見事に羽ばたいていかれた大森さんを
デビュー作の頃から応援していました。
『俺のことを俺だと思わなくていいから』
このことば、さすがです