『ビジネスに役立つ古典』をご紹介する
連載コラムがスタートしました!
古典の中西 光雄先生にインタビューさせていただき、
平清盛の有事の時代の生きざまから、
現代のビジネスシーンにも繋がる貴重な答えを導き出します。
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マイナビ『ビジネスに役立つ古典』
第2回【平家物語~祇園精舎~】
平清盛は、自らの力を信じるがゆえに、自分が権力者としてのロール(役割)を生きているという自覚が持てない人でした。
漢籍を読めば、権力は社会的な職分に過ぎないということが容易に理解できたはずなのです。
しかし、彼には教養がありませんでした。
万能感を持ち自己を絶対化したのです。
死さえ乗り越えられると思ったことでしょう。
しかし、現実にはそうではありませんでした。
権力行使はロールのひとつでしかなく、
死は確実に訪れた。
リーダーシップを持つ者は、権力行使を自らのロールとして客観的かつ冷静に行うことができるかが問われます。
謙虚さには教養と哲学が必要です。
第1回【平家物語~那須与一】
「生きざま」という言葉があります。
この言葉は「死にざま」という語からの連想で、
1960 年代にできた言葉だといわれます。
一方「死にざま」は平安時代から使われている語で、
文字どおり人が死ぬときの様子を述べた語です。
軍記物語は戦争の物語ですから「死にざま」を集成したものといえますが、
同時に壮絶な死に至る「生」を照射している作品だともいえます。