『いろいろ紆余曲折もあったりしましたが、結果的にこういうお仕事をしております。
人生の経験の中で何一つ意味のなかったものなどないなあ、と実感しています。
(ラジオNIKKEIのDVSステーションの影響もなかなか大きかったですよ笑)』
『 久しぶりに引っ張りだして聞いてみようかなぁ、
あのころの番組(未だにMDでとってあります)』
元ラジオリスナーのTVディレクターさん
数年前、それまで7年間続いていたパーソナリティ番組が終了。
初の自分の冠ラジオ番組でした。
番組終了の理由は、自分から編成部にキリの良いタイミングで、
終了させてほしいとお願いし続けた結果です。
7年間で、公開放送、番組CD発売、他局へのゲスト出演など
多くのリスナーの皆さんに支えられたおかげで、
雑誌や新聞が何度も取り上げて下さるほどの人気番組となりました。
東京国際フォーラムで開催された公開放送には全国から
リスナーさんたちが集まってくれ、その情報を知ったニッポン放送さんが
太っ腹なことに、他局からのゲストとして呼んで下さったこともありました
にも拘わらず、降板でもなく、局からの終了告知でもなく
自ら番組終了を懇願したのには、わけがありました。
私たちの番組の熱心なリスナーさんたちは、リスナーさん同士で
コミュニケーションを取るようになり、サークル化していきました。
番組を応援する同志として、お互いに楽しさを共有したり、意見を交わし合ったり
悩みを打ち明け合ったり。。。
そのうちに、リスナーさんたちにとっては、そのサークルが
とても居心地の良いサロンとなり、学校や職場以上の拠り所となっていったのです。
番組には『学校よりも番組の方が楽しい』
『職場でのおつきあいよりもリスナーさんらとの交流の方が実になる』などといった
おたよりを頂くようになります。
そういったおたよりを頂く度に、私は悩みました。
『本来は、生活の、人生の軸は、学校や職場にあるべきで、
番組のサークル(オフ会)は+αの位置づけにあるべきなのではないか。。。』
番組でもそのような発言をするようになります
『応援してくれるのは本当に嬉しい!でも、皆さんにも皆さんの生活、人生がある。
番組だけでなく、リアルな自分の毎日も大切にしてほしい!』と。
ある意味クールで冷淡なメッセージだったのかもしれません。
ただ、私たちの番組がリスナーの皆さんの背中を押したり勇気を与えたりすることは
できても、皆さんの人生を直接的に形成したり助成したりすることはできない。
今あるリアルな自分を大切に、前向きに進んでほしい!という強い思いがあったのです。
そうした思いから、私たち発信の公開放送の回数も減らしていきました。
ラジオにはいくつもの人気パーソナリティ番組が存在しますが
こんなふうに不器用な番組運営をしていたのは私たちくらいでしょう。
私たちのメッセージがリスナーの皆さんに届いているのかどうか、
きっと、数年後に答えは出てきます。
ですが、「運営上、縮小傾向にある番組を続けていても、リスナーの皆さんに失礼だ」
と判断し、終了を決意しました。
『いろいろ紆余曲折もあったりしましたが、結果的にこういうお仕事をしております。
人生の経験の中で何一つ意味のなかったものなどないなあ、と実感しています
(ラジオNIKKEIのDVSステーションの影響もなかなか大きかったですよ笑)』
『 久しぶりに引っ張りだして聞いてみようかなぁ、
あのころの番組(未だにMDでとってあります)』
ツイッターに寄せられたこのことば、私にとっては『数年後の答え』なのです
リスナーの皆さんに私たちのメッセージが届いていたのかどうか、
その『数年後の答え』なのです
当時、番組の広報係として熱心に応援してくれていた中学生リスナーさんが
今では、立派に成人し、同じTV業界で番組制作スタッフとして活躍されています。
数年間に渡る、胸のつかえが取れた気がしました。
O君!本当にありがとう
番組開始は10年前、その頃のMDを未だに持っていてくれてるなんて感激です。