『舞台を観るのもお稽古のうち』
謡のお稽古の師匠・観世流シテ方能楽師 武田文志先生よりご教授頂いてから、観世能楽堂に通っています。
『能楽』『狂言』『素謡』を鑑賞。
『おはなし』は一粒萬倍・愛媛上演の打ち上げでも『能楽』について詳しく教えて下さった武田崇史先生が担当され、
能『百萬』の地謡は、武田文志先生や松木崇俊先生、そしてこちらにも武田崇史先生が出演されました。
斜め前で英語で会話されていた海外からの観光客の方が地謡に合わせて、静かにリズムを取っていたのが印象的でした。
外国人の方も、心地好く感じているようです。
能舞台の地謡は語りを学ぶ上でも参考になるのですが、20年近く語りを学んでいる東証キャスター仲間でもあった前田環さんが
私の語りについて、
「舞台上に差し出す語り」と評してくれたこともあり、いろいろと思いを巡らせながら鑑賞いたしました。
「語りは人間性と生き様が表出する。
様々な体感や経験から滲み出るもの。
出会ってきた人や物事、事象を通して自分に還元されるものの本質は、
キャスター業で培ってきた観察力や瞬発力、バランス感覚があるからこそ
舞台に馴染み、舞台の魅力を最大限に引き出す語りを生み出すことができる。
全てに潜在する共通項を見出しつつ、
どのように結びつけて自身の成分にし表現に繋げられるか。その方程式はアート・表現の世界でも欠かせない本質である」
そうした作業を続けることは、
お稽古同様にとても大切な積み重ねである...と改めて納得し、自分に課し続けていきたいと思いました。