エジプト・カイロ出身のイスラム教徒で、現在、日本で暮らしている
大学教授、アルモーメン・アブドーラ氏との
『イスラムの視点』をテーマにした研究会を取材。
アブドーラ氏は『アルジャジーラニュース』の放送通訳や、
アラブ諸国首脳やパレスチナ自治政府アッバーズ議長が
来日した際の通訳を務めた方です。
◆イスラムの視点とイスラム教徒の視点は別だ。イスラム=イスラム教徒ではない。
◆イスラム教徒はイスラムの理解において、一枚岩ではない。
◆日本で報道されている「イスラム国」は誤称だ。米国での報道はすべて『Daesh』で統一、せめてイスラム国組織と呼んでほしい。
◆今回は、良識のある解説者が多かったが、日本の外で起きている事件については、日本人による日本ならでの報道としてではなく、もっと現地の人たちの話をキャッチしてほしかった。
◆実はイスラム教徒にとって日本は住みやすい国。20年住んでイスラム教徒であることから嫌な思いをしたことはない。その理由は、日本文化の根幹には「自分の行動を考えるとき、相手のことを考える」という視点があるからだろう。この考え方はイスラム教徒も理解しやすい。イスラムからの留学生たちも、欧米や米国よりも日本の方が自分たちを受け入れてくれているという気持ちが強い。