『人生は道路のようなものだ。一番の近道は、たいてい一番悪い道』
ベーコン(イギリスの哲学者・神学者)
先日講師を務めた日本FP協会認定セミナー『FP会話塾』。
実は、受講生から
「10の質問をするのには、30の知識を用意しておくこと」
「相手の言葉尻の声の高低・大小、スピードに呼応して話し始めること」
主にこの2つが勉強になったという感想を頂きました
「10の質問をするのには、30の知識を用意しておくこと」
インタビューや対談は基本的に対話ですから
聞き手のテクニックがあれば、質問は一切用意しておかなくても
形としては成立するものです。
基本的な柱をおさえておいて、話を進めるうちに湧き出てきた
質問を投げかけていけば、お仕事は完了します。
ただ・・・これは、あくまでも私の個人的な意見ですが、そのスタイルだと
形にはなっても、どこか表層的というか…ベターな内容にはなっても
ベストに近づくことはできないように思うのです。。。
実際、取材相手の作品(著書であれば少なくとも2冊以上、できる限り多く)を
読破し、30の質問を用意したところで、結局、その場の流れで
ひとつも投げかけない場合もあります。
現場の流れで湧き出てきた質問や対話で内容が埋まってしまうことも。。。
だとしても、30を用意しなかった場合と、用意していた場合とでは
「対話の奥行きに差が出る」と感じます。
今回の講義もそうでした。
150分の講義のために伝えようと準備していたのは、約200分程度の内容。
そのなかの150分を受講生とのやりとりや、その場の流れから抜粋して
講義を進めました。
講義の後、準備資料いっぱいで重いバッグを持ちながら
ちょっと用意周到にしすぎたかなぁ…要領が悪いなぁ・・・
などと思ったりもしましたが
『人生は道路のようなものだ。一番の近道は、たいてい一番悪い道』
と、今一度自分に言い聞かせ、家路に着きました。
近道でなくとも、自分が選ぶ道を信じて進んでいきたいものです